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江戸時代中期に、武家が男児の産まれたときに玄関前に飾る幟や吹流しに対抗してという意識もあったようです。中国には、竜門の滝を登りきった鯉が竜に生まれ変わるという登竜門伝説があり、そこからきているとも云われます。
また、鯉は生息する水質に柔軟で、清らかな水から、そうでない水でも生息できるため、生命力が強く、鯉にならって強く逞しい子に育って欲しいという意味合いもあります。
端午の節句に向け、4月中旬くらいから飾ります。初節句の場合、設置に手間取ることも考えられますので、少し早めに準備して、きちんと設置するように心がけると慌てずにすみます。特に屋根より高い鯉のぼりであれば、鯉をあげるための木材や鉄骨を使った竿や市販のポールを使用し、穴を掘ったり、中にはコンクリートで土台を固めるなど、事前準備が必要なタイプの鯉のぼりもありますので、ご注意ください。
鯉のぼりをしまう時期は、鎧飾りや兜飾りなどの内飾りと言われる五月人形と違い、比較的ゆっくりとしまいます。梅雨に入る6月前まで、つまり5月一杯ほどゆったりと青空を泳がせます。端午の節句としてではなく、飾りとして、海外などで一年中飾る場合もありますが、鯉や部品の寿命を著しく低下させることになりますので、一般家庭では控えたいものです。
水に強いナイロンやポリエステルで作られ、染めで色付けした後、定着処理と言って色落ちしないよう固定処理をします。そのため、雨に濡れても破れたり、色が落ちたりすることはありません。ナイロンの鯉のぼりは、その素材のため定着処理が弱く、紫外線によって2~3年で色褪せしてしまいます。ナイロンの鯉に対し、ポリエステルの鯉は、定着処理が強く、4~7年の色の寿命を誇ります。
ナイロン生地の鯉のぼりは、雨に濡れた後にお手入れを必要とします。濡れた状態で、太陽に当てると、紫外線の影響で色褪せを起こすからです。そのため濡れると、室内で陰干しして乾かした後にあげる必要があります。ポリエステル生地の鯉のぼりは、比較的紫外線に強いため、濡れた状態でもあげてかまわないものもあります。中国で染付け定着処理されている鯉のぼりは、日本で染付け生産される鯉のぼりと比べると対光性が劣るようにも思います。